眠りにつく10秒前。

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カーネーション、リリー、リリー、ローズ

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創刊時の『つぼみ』をまるでエロ本かのように新潮文庫の間に挟んで買い、掲載作品にあまりに乗れなくて百合漫画を読むことに抵抗がある…そんな経験、ありませんか?

そういう方もいますし、そうじゃないって方もいますね。はい。『STEINS;GATE』でおなじみ、まゆしぃ文法ですけれども。E.YAZAWA®︎文法並みに汎用性高いのでつい使ってしまいますね。

なんなんでしょうね。百合というジャンルのアンビヴァレンツな感じ…。BLの洗練が羨ましい。歪さをどうにか言語化できないか試してみたんですけど、脳が泥沼化するのでやめました。

直近で読んで「ああ…」と落胆したのは池田理代子先生の「ゆれる早春」(『おにいさまへ…』の3巻収録の短編。順子ちゃん激かわ)。百合漫画というか少女漫画なのであんな結末なのかもしれませんが。順子の嫉妬心を救済するトゥルーエンドが見たかったな…。

そんなわけで、百合は地雷、そう思い込んでいた時期が私にもありました。つい最近まで。恥じらいます。地雷と恥じらいで韻踏めるね。変換予測機能ってすげー。

映画の『水の中のつぼみ』やゲームの『Life is Strange』に触れたりはしつつも、なかなか国産の作品には手が出せなかった中、見つけてしまいました。試し読み、そしてご購入。消費社会の歯車久々に回しました!僕はここにいていいんだ!



前置きが長いからふざけるんだな…。



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先日とか言って先月だった。『猫だまり』と同時刊行されたデビュー作のひとつみたいです。
表紙を見て察する方もいると思いますが、月子さんのこじらせビューティーぶりは期待を裏切りません。このキャラクターが呑み込めない人はあまり乗れないのかも。私はドンピシャでした。もし美少女に生まれていたらこんな振る舞いをしていただろうなと。というかしてました。内海さんみたいな友達にイライラしてました。まぁただこじらせてただけなんですけど。ギャルっぽかったりオタクっぽかったり、ちょっとズレてる子とツルんでるのもめっちゃわかりみ。わかりすぎて説明ができない。
心象風景とモノローグの描写のバランスが読んでいてとても気持ちいいです。友情や恋愛というテンプレートに当て嵌めすぎず、関係性を丁寧に追っているのも素敵。1巻完結かと思いきや続いているようで、続刊がただただ楽しみ。


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こちらはややクローズドな学園モノ。タイトルにもかかっている、中心人物である「繭の君」の全貌は隠されていて…という不在で語る演出がされており、『ゴドー』、『桐島』形式のお話。『Flowers』(ちゃっかりやってました)が好きな人には馴染み深い構成ですね。髪で編まれた制服、という設定にも引き込まれます。
キス描写がロングショットで捉えられているんですが、逆に生々しさが感じられました。主人公?の洋子は終始後ろめたさを感じさせるので、エロスを抱えたキャラクターとして描かれていくのかな。疑似恋愛的な描写をメタ的に見せたりもしているので、内罰的になっていく予感も。前述の『ゆれる早春』順子のように、潰されないように祈るしかない…。


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amazon以外では書籍版が他サイトで通販購入できるみたいです。前編・後編で完結。
男性が社会悪的に描かれていて、かつ本編にも深く関わってきます。後で良好な関係になろうとも、強引に迫る描写は自分も苦手なんですが、この作品ではもはや暴力、殺人にまで及んでいるので、合わない人には徹底的に合わないと思います。あらすじの時点で察しはつくでしょうが…。
冒頭の「生き残って偉かったね」という台詞からして、社会批評に突っ込んでる。すごい今の感覚。集英社が強気な文言の広告を打って『さよなら ミニスカート』を打ち出していて、フェミニズムがやりたいのかなぁと思いましたが、ここまで露悪的にやらないと伝わらない気もします。
ただ、表現としてストレートに描く必要はあるのか(特に百合というジャンルで)、また、ディストピアモノにありがちなんですが、搾取する側とされる側を極端に描きすぎているのではないか、など色々と考えさせられます。表紙イラストのように鮮明すぎる、生身の作品と言えるのかもしれません。


久しぶりに作品の感想を真正面から書いた気がします。めっちゃ疲れる…。百合がまだジャンルとして確立しきれていない、というあたりにも気を遣いますね…。
三つの作品を並べてみて、逃避願望(エスケーピズム)が描かれているのが現代だなあと感じます。現代というか、何年もこの話してますし、元々普遍的な欲望なんですよね。
作品から離れたことを言えば、安易に「逃げてもいいんだよ」と言っていいのか?と思うことが少なからずあるんですが…。考え込んでも答えは出ないし、社会という大きい枠組ではなく、個人の意識の変化を促すという点において、漫画って良い感じのメディアなわけで、「同性の関係性」を掘り下げる百合の表現には、期待半分不安半分で触れていきたいですね。
急にデカい話になってしまった…。しばらく書かないからこうなるんだよ!