眠りにつく10秒前。

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鑑賞記録(2018・02)

・映画

トリュフォーの思春期

日曜日が待ち遠しい!

人間ピラミッド

早春


本を読み出したらさっぱり映画を観れなかった。10代の頃はトリュフォー の良さがいまいちわからなかったが、今はめちゃくちゃ面白い。


・本

オイディプス王 - ソポクレス / 藤沢令夫訳

芥川なんかも「素戔嗚尊」等で神話のアレンジをしているが、二千年前から換骨奪胎の手法は一般的なんだなあ、と頭の悪いことを思う。


デイジー・ミラー - H・ジェイムズ/西川正身

奔放な女性というと『突然炎のごとく』を思い出すが、デイジーは誰からも愛されない結果に終わる。これは語り手がウィンターボーンに寄っている為に起こる印象なのだろう。末部にデイジーの母と弟の描写が全くないのが好例か。漱石もジェイムズを読んでいたようで、原文は非常に難解らしいが、西川正身訳では読みやすいくらいだった。個人的には漱石の方が混然としていて読み応えがあるくらいだ。注釈も最低限につけられたものだったし、原文や現代の研究者の訳で読むとまた違うかもしれない。勿論、私に英文を読解する能力なんてないけれど。


長距離走者の孤独 - A・シリトー / 丸谷才一河野一郎

サリンジャーがジム・モリソンだとすればシリトーはコステロだ。サリンジャーの持つサイケ感はない。ルソーを思わせる表題だが、それほど哲学的というわけではないし、ジュネのように散文詩で世界を構築しているわけでもない。簡素な文体が心地よく、淡々と描写を書き連ねていく。コステロデビュー当時に言われた「怒れる若者」というのはシリトーらにあてがわれた括り方で、20年ほど経ってパンク世代にアティチュードが引き継がれたというのも面白い。


牧野信一全集1

噂のギリシャ牧野には届かない。初期の作品ということもあってか、よく似た作品がチラホラ。内容が重複することはエッセイや批評なんかに多いが、小説でここまで被ってる印象を与える作家は珍しい気がする。どんだけ谷崎の「悪魔」好きだったんだ。児童誌に載せていたホモソーシャルな友情モノもワンパターン。グラデーション的に楽しむべきなのか。どれも中途半端に終わるイェイツ的、ポー的な幻想譚は中期の作品群の芽生え?批判めいたことをつらつら書いたけど、星新一的にサクサク読めて面白かった。


恋のエチュード - J・P・ロシェ/大久保昭男

意外に分厚かった。400P行かないくらい。原作を読むと確かに『狭い門』の影響が強いことがわかる。映画で観て、可愛らしくもいやらしかったレモンしぼり(おしくらまんじゅう)も出てくる。ミュリエルの屈折が凄まじく、これを2時間にまとめたトリュフォーは上手いんだなと思った。遅読な私の読書スピードでは8時間くらいだったので、映画が好きだった方は濃密な時間が楽しめるんじゃないでしょうか。あんまり本の中身に触れてない。


桜島・日の果て - 梅崎春生

積ん読を消化しようと手に取った。いつ買ったのか思い出せない。戦後第一世代の作家の一人で、5編中3編が兵役中の話。青春の最中というよりすでに終わったそれを俯瞰で見つめている、といった風な作品群。解説では梶井基次郎の影響があるとのこと。梶井の作風をいまいち思い出せないものの、青白い文学青年の神経質な筆致は共通するものがある。物語の筋や題材には目新しいものはない。しかし、その細やかな描写によって風景も人物も実に肉感的に浮かび上がらせている。戦後の貧困を書いている2編は、翻って、生の不安が充満していて対照的。どちらにせよ、自我、エゴイズムが社会の中で揉まれてゆく様を冷めた目線で書ききっており、今でも普遍的に読み取ることができるだろう。


ひかりごけ - 武田泰淳

梅崎春生といい武田泰淳といい、安部公房という異才の登場を知っている現代からすると、実に真面目に小説を書いているように思える。そういう見過ごしがちなところを発見するのが文学の楽しみでもあるのだが、在学中でさえぐうたらしていた私にそんな気力はない。とはいえ、論文の読解を最低限学んでしまったのが厄介で、下手に資料豊富な日本文学を読むと気になってついCiNiiを開いてしまう。どうでもいいことばかり書いたのは、割に読み飛ばしたからに他ならない。「流人島にて」の冒頭とかよくわからなくないですか?歌子とたあちゃんが同一人物とかめちゃくちゃわかりにくい。表題作にえぐみを感じないのは感受性が下がってるせいなのだろうか。


存在と時間(上) - M・ハイデガー/桑木務訳

ベンヤミンのような文芸批評ならともかく、難解な哲学書を専門外の自分が読んでも半分も理解できているとは思えない。上巻を頑張って読みきったものの、今は解説書も多いし、そっちの方が手っ取り早い気もする。 副読本として併せ読みするのが一般的なのかしら。


プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 - M・ヴェーバー/大塚久雄

こちらは幾分読みやすかったが、やはりキリスト教や経済、諸々の知識不足が足を引っ張って、「で、これ俺が読んだ意味あるの…?」と同じ結論に至る。資料をかき集めたであろうウェーバーさんとそのお弟子さんたちに申し訳ないくらい詳細なデータの記憶がない。


・音楽

音楽のストライクゾーンが年々狭まっている気がする。去年はほぼ邦楽しか聴いていなかったので揺り戻しで洋楽ばかり聴いてる。というかこの3年くらいか。アバラマ・シェイクスも聴いてなかったくらいだった。

多分洋楽から離れたのが「ブラックミュージック最高すよ!」みたいな風潮が原因だったような。いや最高なんすけどね…。ブラック系は流行り取り入れまくるから一つ受け付けないと十受け付けないみたいになる。とりあえずトラップはもう飽きた。

Apple Musicの恩恵受けまくりで新譜も聴いているけどそんなにピンとくるものもなく、案の定旧譜の方が多い。以下主に聴いてたヤツです。


Flying High Together - Smokey Robinson & The Miracles

これはアナログで買った。単独でCD化してないぽいので。スウィートかつスウィート、そしてスウィート。『Quiet Storm』より泣ける感じ。センチメントになりたい人におすすめ。


BUDS REPORT2 - ENDRUN

聴いてて心地よすぎる〜と思ったら日本の方なんですね。メロウなんだけどどっか渇いてて最高にちょうどいい。


The OOZ - King Krule

大好き。多分2月中一番聴いてた。とっつきにくいようでいて、ループの中で意外と良いメロ。ジャジーだったりノイジーだったり、基本はローファイなヒップホップ?ジャンルはよくわからない。Apple Musicでは「Alternative」だった。


Sothern Soul Deep Compiration : Soul Treasures

知らない名前ばかり。ねばっこいカッティングギターが最高。Steve Cropper好きは必聴。R&Bというとフリーソウルの存在が大きすぎてディープソウルが検索しづらいので、こういうコンピはバンバン出してほしい。


Premier Album - LIO

知る人ぞ知る「恋はアミアミ」の原曲から始まる。ZE Recordsもこういうエレポップな人を輩出してたのね。


Weighing of the Heart - Nabihah Iqbal

適当に新譜漁ってる時に見つけた。New Order感。ギタポには飽きてるけど結局ニューウェイヴぽいのが一番好き。


Double jeu - France Gall, Michel Berger

一月遅れの追悼の意を込めて、France Gallで唯一持っていたアルバムを聴く。「Francoise Hardyの冷蔵庫のジャケぽい」という理由だけで買ったはいいものの、当時は全く良さがわからず早々に売っ払ってしまった。今聴いても打ち込み多用の安っぽい音像で落ち着かないけれど、ループする曲構成は気持ちよかったりしてモヤモヤする。この時期のドラムの音色はどうも好きになれない。ギターの音色は好意的に聴けばギルモアぽい…かなぁ…。当然ながらギャルの声は様変わりしているし、60'sポップスやジャズっぽい要素が全くないので、間違ってもフレンチポップス好きは買わない方がいい。


Irish Tour'74 - Rory Gallagher

ストレス発散によく聴いた。なんという罰当たり。Tasteの『What's Going On : Live at the Isle of Wight』も物凄い。心のギターヒーロー第1位は間違いなくRory。


Fragment - Taiko Super Kicks

北沢夏音氏のインタビュー記事で知る。ギターがカッコいい。こういう現代詩ぽい歌詞はどうしてここまで生活に密接するのか。勝手にポストミニマルと呼んでる。他のインタビューも目にしたけど、自分の世代はホントにアジカンが好きらしい。アジカンは今やギターロックで、Base Ball Bearは未だにロキノン系という蔑称で捉えられている気がして悲しい。関係ない話でした。


ユグドラシル - BUMP OF CHICKEN

唐突にBUMPを聴き返していた。それほど入れ込んでいない自分がファンの友達を差し置いてカラオケで一番上手かったのを思い出す。気まずかった。なぜかデカい声を出すだけで藤原氏の歌声がコピれたのだった。ベタだけど昔も今も「ギルド」が一番好き。


・アニメ

BUMPを聴いていたら回顧的になったのか、『OVA テイルズオブシンフォニア THE ANIMATION』を一気見。評判良くない割によくまとまっていたと思う。OPムービーに起動の度観入っていたこともあり、美麗な作画に惚れ惚れ。原作の『テイルズオブ』シリーズはプレイした者を萌え文化に引きずり込む恐ろしいゲーム。小学生の頃にたまたま中古ソフトを買ってしまったのが運の尽きでした。