眠りにつく10秒前。

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Belle Époque

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昨日は眠る前に丸尾末広の『パノラマ島奇譚』を読んだ。

谷崎潤一郎のオムニバスで丸尾氏に触れたのをきっかけに、買っておいて打ち忘れていたのを思い出し、ひっぱりだした。

芥川の自死に当時の文学界は揺れた、という逸話がある。それを作家志望という中心からほど遠い男に委ねるところにリアリティを感じた。



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ここ最近、ラッキーオールドサンの「Belle Époque」ばかり聴いている。

野暮ったいようで洗練された、誠実な10曲。

60年代、70年代に根ざした音作りなので、ひょっとしてノスタルジーなのかな、と思わせておいて、「ロックンロールも今が一番いいよ」なんて、最高に恥ずかしくてドキドキすることを歌う。

初期衝動というとSex Pistolsのように破壊的なものとされがちだけれど、いまを肯定することこそプリミティブなエネルギーであると思う。



精神病が蔓延しているのは資本主義の仕組みが根源にあるらしい。

時代に背負わされた重荷を引きずってゆくだけで精いっぱいな人々は何を信じていいのかもわからなくなってしまう。

日本もこれから戦争を起こすかもしれない。起こさないかもしれない。

大戦を前に文化が隆盛した夢のパリ。

大恐慌に突入する時代に栄華の限りを尽くしたパノラマ島。

消費が消費を引き起こす狂乱の渦に巻き込まれるのは、とても怖い。溺れてしまいそうになる。


大切なことは平静でいること。

好きな人と珈琲を飲む、そんな甘い幸せを忘れたくはない。

そのためにも、美しく歩き続ける。

眠りにつく10秒前のような、美しい心で。